動脈が限局性に異常拡張した状態であり、大動脈に好発する。多くは高血圧や冠状動脈疾患を基礎に持つ。 一端拡大し始めた動脈瘤は Laplaceの法則にしたがって、血圧が高いほど拡大しやすく、破裂の危険も増す。
動脈壁の異常や血管奇形による血行力学的要因に起因する。Willis輪に好発し、クモ膜下出血の原因となる。
上行大動脈に洋梨状に瘤を形成することが多い。
動脈硬化の進展による外膜栄養血管の閉塞や、高血圧による中膜壊死に起因するもので、もっとも頻度が高い。
しばしば大動脈峡部に好発し、多くは受傷直後に死亡する。
血管壁が内膜・中膜・外膜の3層構造を保ちながら、拡大するもの。
大動脈壁の限局的な脆弱化によって壁画の片側が膨化するもの。
動脈に連続する血腫の周囲に形成されて繊維性結合組織によって腫瘤壁を形成したもの。 多くは外傷によって壁が破損して血腫を形成したものであり、通常の動脈壁の構造を持たない。
内膜の亀裂によって血液が動脈壁内に侵入し、中膜を剥離して、真腔と分離するもの。
反回神経の圧迫による嗄声、気管圧迫による呼吸困難などの症状を伴う。破裂した場合は救命率が低い。
瘤が横隔膜の前後にまたがって存在するもの。
腹部大動脈瘤は動脈硬化に起因するものがほとんどで、腎動脈分岐部よりも抹消側に好発する。 破裂しても短時間にショック死するものではなく、周囲組織を圧迫しつつ血腫を形成する。
初期には多くは無症状である。末期に破裂すると激痛を伴い、ショックに陥る。
弓部大動脈瘤では反回神経圧迫による嗄声・咳き、気管支圧迫による呼吸困難、食道圧迫位による嚥下障害などが 生じる。
動脈の拡張や動脈壁の石灰化を見る。炎症性では外膜の肥厚が見られる(マントルサイン)。 原則として外側が偽腔で、内側が真腔である。
本症の基礎に動脈硬化が存在するから当然である。
直径が4.5cm以上では破裂の危険を伴うので手術適応となる。 ほかにも病変の急激な拡大や周囲への血液漏出、あるいは周辺臓器の圧迫や心不全をを来たした場合は直ちに治療 の必要がある。 手術は瘤部の血流を遮断し、瘤口のパッチ閉鎖術・人工血管置換術が行なわれる。近年ではカテーテル を用いたステント留置術も施行される。
頸動脈にカニューレを挿入する。