血管壁のフィブリノイド変性、核破壊を伴う好中球浸潤、免疫複合体の血管壁への沈着を特徴的な 病理像として持つ血管炎。
真皮上層の血管炎である。
真皮下層の血管炎である。
免疫複合体が組織に沈着し、組織を破壊するIII型アレルギー反応に起因する。
血管からの赤血球の漏出・好中球の浸潤・血管壁の内膜膨化による壁の肥厚・フィブリノイド壊死が血管 炎に共通して見られる。
全身小動脈の壊死性血管炎である。 動脈を閉塞して梗塞を招くため、皮膚や末梢神経をはじめとして関節や腎臓など多臓器に障害を及ぼす。
基本的にMPO-ANCAは陰性である。
MPO-ANCAが陽性であるものをいう。
病因は不明だが、免疫複合体の沈着が想定されている。pANCAが検出されることもある。 このpANCAは myeloperoxidase に対する抗体であり、最近では pANCAは MPO-ANCAと呼ばれる。
MPO-ANCAが炎症性サイトカインと共同して好中球を活性化する。
全身の動脈を侵すため、病変は多臓器にわたり、その症状は多彩である。
特異的な皮疹は見られない。皮下結節や結節性紅斑を生じる。
腎動脈を閉塞して腎性高血圧や腎不全を招き、予後規定因子となる。
冠動脈炎や心筋梗塞を招く、腎病変とともに予後規定因子となる。
左右非対称に複数の抹消神経が障害される。
消化管の虚血によって急性腹症や血便をきたす。
一般的な炎症所見が認められる。確定診断は生検である。
なかでも好中球が優位に増加し、好酸球増多を示すアレルギー性肉芽腫性血管炎との鑑別に役立つ。
同一個体において様々な時期の動脈病変が混在し、それらが寛解と増悪を繰り返す。 特徴は好中球を主体とする血管炎であって、肉芽腫や巨細胞の形成が見られない点である。
炎症細胞の浸潤とそれによる中膜のフィブリノイド壊死が生じる。 その結果、内弾性板が切断されて動脈瘤を生じ、しばしば血栓を合併する。
毛細血管の新生と線維芽細胞の増殖が盛んな肉芽組織の形成が見られる。しばしば血栓の器質化によって内腔を狭 窄する。 順調に治癒に向かう肉芽は血行に富んで表面平滑である。これに対して治癒過程が障害されていると蒼白な色調で 脆弱な不良肉芽が形成される。
浸出液の吸収、炎症細胞の消退、膠原線維化による瘢痕化が生じる。狭窄した内腔が再疎通することがある。
ステロイドならびにシクロホスファミドを用いる。
多発性結節性動脈炎に類似した壊死性血管炎であるが、肺に好酸球浸潤に富む肉芽腫が形成されるアレル ギー疾患として多発性結節性動脈炎から独立した。 アレルギー性気管支肺アスペルギルス症 ABPA や肺真菌症との鑑別を要するが、本症では血管炎であることを背景と して病変が肺に留まらない点が特徴的である。
外来性抗原吸入によるアレルギー反応の関与が示唆されているが、詳細な原因および機序は不明である。 ウェゲナー肉芽腫症や Schonlein-Henoch紫斑病と同じく細小血管が侵される。
気管支喘息が先行し、喘息の重症化とともに、末梢好酸球増加と高IgE血症を背景として発症する。
多発する血管炎によって左右非対称に複数の抹消神経が障害され、麻痺や知覚障害を呈する。
好酸球増多が必発であり、血管炎を反映して赤沈亢進や血小板増多も見られる。
ミエロペルオキシダーゼを抗原とするMPO-ANCAである。
アレルギー性気管支肺アスペルギルス症との鑑別に有効である。
肺浸潤影を認める。
予後規定因子となる。
好酸球浸潤が著明である。
ステロイドによく反応し予後良好であるが、再発率が高い。
抗原に対するIII型アレルギー反応によって免疫複合体が形成され、これが血管壁に沈着して血管炎を惹起する。
血管周囲に好中球浸潤が見られるとともに赤血球遊出像 leukoclastic vasculitis の像を呈する。
肉芽腫形成を伴う壊死性血管炎に加えて空洞形成性肉芽腫性肺炎や糸球体腎炎などを伴う血管炎症候群である。 原因不明で予後不良である。
原因不明であるが、cANCAが発病に関与していると考えられている。なお好中球の活性化が見られる。
半月体の形成が見られる、壊死性糸球体腎炎である。巣状分節状糸球体硬化症を呈することもある。
気道の肉芽腫性病変であり、肉芽腫は炎症を起こした血管を中心に形成される(血管中心性肉芽腫)。
頑固な鼻閉・鼻汁・副鼻腔炎などの上気道症状が先行することが多い。
鼻汁などの上気道症状や咳嗽などの下気道症状を呈する。
肉芽腫の形成によって鼻中隔に穿孔を来たすため。
眼窩内に肉芽腫を形成すると眼球が突出する。
炎症所見が強度である。
両肺野に多発性の境界明瞭な結節影が認められる。特に壁の厚い空洞形成が見られることが多い。
抗好中球抗体であるcANCAが高率に陽性となり、本疾患に対する特異性も高い。 もともとcANCAは好中球内の protease-3 に対する抗体であり、最近では protease-3 ANCA(PR-3)と呼ばれる。
光顕画像は こちら。
多核巨細胞を含む肉芽腫性病変と、壊死性血管炎が見られる。
感冒様症状を呈するが抗生剤は無効である。 ステロイドとシクロホスファミドの併用療法で近年は予後が改善されつつある。
大動脈や鎖骨下動脈などの弾性幹動脈に発生する、原因不明の炎症性動脈疾患。 内腔の狭窄をおこし、多彩な臨床症状を招く。 特に鎖骨下動脈の狭窄をおこし、脈なし病と呼ばれる。
西洋よりも東洋に多い。若い女性に好発するため自己免疫疾患が想定されている。
炎症は外膜から分布する脈管の脈管 vasa vasorum の周辺に生じ、リンパ球の浸潤とラングハンス型巨細胞を伴う肉 芽腫の形成が見られる。
外膜の結合組織の中には内膜肥厚の著しい栄養血管が見られる。
側頭動脈に好発する中膜の巨細胞性肉芽腫性動脈炎である。側頭動脈のみならず眼動脈・椎骨動脈・網膜中心動脈な どにも生じる。
マクロ所見は こちら。
側頭動脈の走行に沿って頭痛が感じられる。
内頸動脈の分枝である毛様体動脈が損傷されて虚血性視神経炎を来たした結果である。
血沈が他の血管炎と比べても高くなる。
ステロイド療法を行なう。
高齢者に急性に発症する近位筋優位の筋痛症である。
少量のステロイドが著効を示し、予後良好である。
Akimichi Tatsukawa