高熱の気体、液体、固体に触れて生じる皮膚および粘膜の障害をいう。
症状は紅斑であり、主訴は疼痛と熱感。治癒機転は表皮基底細胞からの上皮再生。
主に表皮だけが障害されるもの。
症状は紅斑に加えて水疱形成が特徴的である。 治癒機転は真皮内の毛嚢・皮脂腺・汗腺上皮からの再生であるが、治癒後に瘢痕を残す。
表皮の基底層を越えて障害されるもので、もっとも有痛性が強い。治癒後はほとんど瘢痕を残さない。
真皮の乳頭下層まで障害されるもの。真皮の深層まで及ぶもので、知覚鈍麻が生じる。 自然治癒までに約1ヶ月を要し、瘢痕を残す。
黒褐色の乾いた焼痂で覆われ、壊死となるため知覚が消失する。 治癒機転は辺縁表皮からの再生伸長であるが自然治癒は望めない。 したがって皮膚移植の絶対適応となるが、壊死組織が脱落したあとに瘢痕拘縮変形を残す。
真皮全層と皮下組織が障害されるもの。
熱傷部位では毛細血管透過性の亢進から血漿タンパクをはじめとする血漿成分が third space へ移動する。 このため循環血液量が著しく減少してショックに陥る(熱傷ショック)。 血圧が降下し、腎血流も減少するために急性腎不全の危険が高まる。
受傷後48時間以降では血漿成分の血管外逸脱が減少し、血管外に逸脱していた血漿成分が血管内に戻って くる。 このため循環血液量が回復して利尿が始まるが、利尿が不十分だと逆に心臓と肺の負担が増大するために心不全や肺 水腫に陥る危険も生じる。
小児の場合は5の法則を用いる。
手掌の面積が体表面積の約1%であることを用いる。
より正確な熱傷面積の算定が可能である。
主に表皮だけが障害されるもので、紅斑や浮腫を生じる。
症状は水疱形成が特徴である。
表皮の基底層を越えて障害されるもの。治癒後はほとんど瘢痕を残さない。もっとも有痛性が強い。
真皮の乳頭下層まで障害されるもの。真皮の深層まで及ぶために知覚鈍麻が生じる。
真皮全層と皮下組織が障害されるもの。 水疱形成はなく、黒褐色の乾いた焼痂で覆われる。壊死となるため知覚が消失する。
burn index = 0.5 * II度熱傷面積%+ III度熱傷面積%
10以上を重症と判定する。
意識障害やチアノーゼの出現などが出現し気道閉塞が顕著であれば、気管内挿管が最優先の処置となる。
広範囲熱傷とはII度もしくはIII度以上の熱傷が体表面積の20%以上の場合であり、輸液などの全身管理が必要と なる。
成人ではII度30%以上もしくはIII度10%以上が適応となる。小児ではこれより軽症でも適応となる。
流水で1時間ほど冷やす。異物除去、大きな水疱に対しては内容吸引を行う。
消毒後に無菌状態で露出乾燥させる。
抗生物質を加えたステロイド剤を塗った包帯をあてる。
筋肉の伸展性の低下と浮腫による内圧の亢進を減少させる目的で行なう。四肢全周や胸部のIII度熱傷が適応となる。
熱傷ショックによって体内外へと喪失した細胞外液を補充する目的で補液を行なう。 最初の24時間ではコロイド輸液は血管外へコロイドが漏出することでさらなる血漿喪失を招くためこれを行なわ ず、乳酸加リンゲル液を次式で算出される総輸液量で輸液する。 ただし3[g/dl]以下の著明な低タンパク血症ではこの限りでない。
乳酸加リンゲル液輸液量[ml/day] = 4.0 * 体重[kg] * 受傷面積[%]
最初の8時間でこの半分を輸液し、24時間以降は徐々にコロイドとブドウ糖を追加していく。 48時間以降は電解質の補正を行なう。 なおショック離脱期は利尿が亢進するため、尿量は補液量の指標にはならない。
受傷時に気道損傷を蒙っている場合がある。大量輸液によって肺水腫を合併する危険がある。
細菌感染が問題となるのは受傷後1〜2週間後であり、受傷直後に抗生剤を全身投与すると耐性菌の出現を招く恐れが ある。したがって原則として受傷後2〜3日後から抗生剤の投与を開始する。
乏尿が続くと腎不全を合併する恐れがあるので、輸液をかけながら利尿剤を投与することがある。
Akimichi Tatsukawa