甲状腺由来の悪性腫瘍である。多くは増殖が遅く予後は比較的良好だが、未分化癌は極めて予後不良である。 男女比では女性に圧倒的に多い。肺や骨に血行性転移を来たしやすい。
もっとも知られた原因は放射線被爆であり、放射性ヨードが甲状腺に取り込まれてガン化する。
甲状腺癌ではもっとも頻度が高い。リンパ節転移を来たしやすい。
血行性転移によって肺や骨に転移しやすい。 被膜に包まれていることが多いが、被膜侵襲や血管侵襲が見られる。
カルシトニンを産生するC細胞に由来するためカルシトニンが上昇する。MEN-IIで合併する。
治療に抵抗し、極めて悪性度が高い。増殖が極めて速く、腫瘍の頸部圧迫によって嗄声や呼吸障害が早期より出現 する。 悪性リンパ腫との鑑別が困難である。
結節性で弾性硬を示すことが多い。腫瘤は嚥下運動とともに上下する。
特に腫瘍が急速に増大して反回神経を圧迫する未分化癌で認められる。
甲状腺機能に異常はなく、画像診断では特に頸部エコーが有効である。
悪性腫瘍でよく見られる内部不均一像や石灰化像が認められる。
123Iによるシンチでは腫瘍部位は欠損し、タリウムによる201Tlシンチでは集積する。
病理組織型で異なる。乳頭癌では外科手術が唯一の治療法である。
標的は甲状腺乳頭癌もしくは甲状腺濾胞腺癌の転移巣である。原発巣では腫瘍よりも残存している正常組 織のほうにヨードがより多く摂取されるため、原発巣のみの症例では適応とならない。 同じ理由によって転移巣の治療に先立って原発巣を治療することが不可欠である。
分化型はしばしばTSH依存性であるため、TSHを抑制する目的で術後に甲状腺ホルモンを補充する。
甲状腺癌では圧倒的に頻度が高い。リンパ行性に転移しやすいが、予後良好である。
放射線被曝によって生じる甲状腺癌のほとんどが乳頭癌である。
核が極めて特徴的で、核溝・スリガラス状核・核内封入体・核分裂像など多彩な像が認められる。 また砂粒小体 psammoma body が見られる。 病理像は、弱拡大は こちら、強拡大は こちら。
抗癌剤や放射線療法には抵抗性を示し、外科的切除が唯一有効な治療法である。 甲状腺亜全摘と両側の気管前・傍リンパ節群廓清術と患側の内深頸リンパ節の保存的廓清術を行なう。 再発時には再切除を行なう。
原発巣の治療後に転移巣に対して施行される。
本腫瘍はTSH依存性に発育するので合成T4製剤を投与してTSHを低値に保つことで腫瘍の発育を抑制する。 ただし、その効果を疑問視する見解も少なくない。
血行性転移によって肺や骨に転移しやすい。 稀ではあるが、サイログロブリンや甲状腺ホルモンを産生する場合がある。
濾胞状構造を示す腫瘍細胞群が認められるが、同様の所見を呈する濾胞腺腫との鑑別は困難である。
確定診断に不可欠である。
腫瘍細胞群が濾胞状構造を形成する。被膜に包まれていることが多いが、被膜侵襲や血管侵襲が見られる。
原発巣の治療後に転移巣に対して施行される。
傍濾胞細胞(C細胞)に由来する甲状腺悪性腫瘍である。カルシトニンを始め、CEAやGRPを産生する。
悪性腫瘍であるが比較的緩徐に増大する。
カルシトニンを産生するC細胞に由来するから。なおカルシトニン高値だが低カルシウム血症になることはない。
充実性腫瘤を呈する。
間質にアミロイドの沈着が見られる。
褐色細胞腫の合併があればその摘除を優先したうえで、甲状腺全摘術と頸部リンパ節郭清を行なう。
治療に抵抗し、極めて悪性度が高い。悪性リンパ腫との鑑別が困難である。
増殖が極めて速く、全身症状や腫瘍の頸部圧迫によって嗄声や呼吸障害が早期より出現する。
炎症反応が著明に亢進する。なお末期になるまで甲状腺機能は正常を保っている。
紡錘型で極めて異型の強い核を持つ細胞や多核の細胞が多数見られる。
手術適応はなく、放射線外照射療法ならびに化学療法を行なう。 予後は絶望的なほどに不良である。
ほとんどが橋本病に合併する。
放射線感受性が高く、予後は比較的良好である。
Akimichi Tatsukawa