潰瘍が粘膜下層にまでおよんだもので、特に幽門前庭部に好発する。
治癒と再発を繰り返す良性サイクルであり、狭義の胃潰瘍をいう。
胃酸分泌の過剰による上部消化管の難治性消化性潰瘍である。
胃酸分泌を伴わず、胃体部に好発する高位潰瘍である。 これは加齢とともに胃体部の粘膜が萎縮し、幽門部との境界が上方に移動するから。
粘膜固有層の欠損であり、びらんと同義。
粘膜筋板を越えるもの。粘膜筋板が欠損。
筋層にとどまるもの。固有筋層の部分的な欠損。
筋層を越えたもの。固有筋層の全層が欠損し、しばしば穿孔をなす。
潰瘍底には表面から4層が形成される。
再生粘膜の形成が始まる。
原因は種々であるが、最終的には胃粘膜の障害などの防御因子の低下に伴って、胃粘膜が胃酸やペプシンによって自 己消化されて潰瘍が発生する。
そもそもプロスタサイクリン PGI2 は胃酸分泌を抑制し、 PGE2とPGF2αは消化管の粘液分泌を促進する作用を持つ。 したがってアスピリンによってこれらの産生が抑制されると胃酸分泌が亢進されて潰瘍形成を導く。
正常胃粘膜が持つ、胃液によって消化されない機構として two-component mucous barrier説がある。
胃粘膜は胃内腔のH
が逆拡散によって胃粘膜に侵入するのを阻止する機構を持つ。
アルコールやアセチルサルチル酸はこの機構を傷害する。
潰瘍の穿孔によって内容物が腹腔内に漏出し、腹膜炎を来たす。
なお現在では胃潰瘍は癌化を来たさないと考えられている。