生体内の鉄欠乏により、ヘモグロビン合成が障害されて起こる低色素性小球性貧血である。
慢性の出血によって体内の鉄が欠乏することが多い。
妊娠および授乳によるものや、出血による喪失、あるいは血管内溶血によって鉄需要が増大する。
悪性腫瘍・消化管潰瘍や食道裂孔ヘルニアなど。
鉄は主に十二指腸から吸収されるので、胃腸障害や腸切除によって鉄吸収が障害された場合に起こりうる。 また胃液中の塩酸は三価鉄を二価鉄に還元し、吸収しやすくする作用がある。
乳幼児や月経が開始する思春期は成長が急激で、鉄需要が供給に追いつかないことがある。 乳児は生後3ヶ月以降から鉄需要が増大するため、離乳遅延で容易に鉄が欠乏する。
まず貯蔵鉄が欠乏する。これは血清フェリチンの低下で示される。 つぎに潜在性鉄欠乏が起こり、血清鉄の低下が現れる。そしてヘモグロビン量が低下して鉄欠乏性貧血となる。
まず血清フェリチンが低下する。
血清フェリチンのみならず血清鉄も低下するが、ヘモグロビンや赤血球数は正常である。 代償的に鉄と結合していないトランスフェリンの量である UIBCが上昇する。
血清フェリチンや血清鉄のみならずヘモグロビンや赤血球数も低下する。
貧血による酸素欠乏症状と酵素鉄タンパクの減少による皮膚症状に大別される。
爪が扁平化し、上に反り返っている所見をいう。回転の速い爪の細胞の増殖が不十分となるために爪が変形する。
まず貯蔵鉄の欠乏が生じるが、これは検査上は血清フェリチンの低下で示される。 血清フェリチンの低下は、サラセミアや鉄芽球性貧血などの他の小球性貧血あるいは出血性貧血との鑑別 診断に役立つ。
UIBCとは鉄と結合していないトランスフェリンの量であり、血清鉄が減少するとこれを代償するためにトランスフェ リンが増加する。
MCVの低下として現れる。
総鉄結合能 TIBC は 血清鉄 SI と 不飽和鉄結合能 UIBCの和である。
薄く小さな赤血球 leptocyte が増加する。血小板の増加もしばしば見られる。
骨髄では赤芽球が増加する。
出血性の場合は特に出血源を特定することが重要である。
消化管粘膜の鉄吸収は鉄不足量に応じて増減するため、鉄の吸収過剰を回避できるからである。
鉄不足量を計算して、投与する。
原因が鉄の欠乏のみであれば原則として行なわない。
栄養療法としては鉄分の多いほうれん草やレバーを摂取させる。 なお治療が成功するとまず網赤血球の増加となって現れる。
Akimichi Tatsukawa