「急激で広範な肝細胞壊死に基づいて肝不全を呈する急性肝炎のうち、症状発現後8週間以内に高度の肝不全に基づいて肝性昏睡II度以上の肝性脳症を来たし、肝予備能を示すプロトロンビン時間が40%以下となるもの」である。
致死率が70%を超える極めて予後不良な疾患であるが、生存した場合は慢性化することなく肝細胞は完全に治癒する。
発症後10日以内に脳症が発現するもの。多くはHBVもしくはHAV感染が原因である。
発症後10日以降で脳症が発現するもの。予後が極めて悪いため、肝移植の適応になりうる。多くは原因不明である。
特にB型肝炎がもっとも多く、A型肝炎がそれに続く。 肝細胞へのウイルス感染に続発する宿主側免疫応答の過剰に起因するものと考えられている。
アセトアミノフェンが有名である。
広範な肝細胞の壊死が生じ、急激な肝不全に至る。
高アンモニア血症に起因する。
機序は不明であるが、予後不良となる。
感冒様症状で発症するが重篤感は強い。
特に肝性脳症を呈し、傾眠や昏睡をきたす。
凝固因子の多くはセリンプロテアーゼの前駆体であり、主に肝細胞で産生されるので肝予備能の指標となる。 しかも凝固因子は半減期が短いので、急性の経過を辿る本症の病態評価に適している。
ASTとALTはともに著明に上昇する。
広範な壊死によって萎縮した肝臓が確認される。
Fisher理論によれば血中に増加した芳香族アミノ酸が偽性神経伝達物質の合成に関与し、正常な神経伝達であるドー パミンやノルアドレナリンに代わって作用するために肝性脳症が出現する。
Fisher比とは分岐鎖アミノ酸と芳香族アミノ酸の比であり、劇症肝炎では低下する。
肝臓からのグルコース放出や糖新生が障害されて低血糖となる。
急性黄色肝萎縮・急性赤色肝萎縮 と呼ばれる。
肝細胞が再生されるまで合併症に対する治療を行なうことが必要である。
Fisher理論によれば血中に増加した芳香族アミノ酸が偽性神経伝達物質の合成に関与し、正常な神経伝達であるドー パミンやノルアドレナリンに代わって作用するために肝性脳症が出現する。 そこで分岐鎖アミノ酸を投与して芳香族アミノ酸とのアミノ酸バランスの補正を図る。
ラクツロースを経口投与してアンモニアの腸管内吸収を抑制するとともに、腸内細菌のウレアーゼ活性を抑制する ために抗生剤を投与する。
腸内の消化酵素で分解されないため浸透圧を上昇させるほか、腸内細菌のアンモニア合成を抑制する。
カナマイシンなどの非吸収性抗生剤を経口投与し、腸内ウレアーゼ産生菌を抑制する。
タンパク摂取を制限して高アンモニア血症の改善を図る。
肝臓が回復するまでその機能を一部代替する。
グルカゴンとインシュリンを同時に点滴することで、肝細胞内のグリコーゲンを一掃する。
劇症肝炎の亜急性型は肝移植の適応になりうる。
Akimichi Tatsukawa