末梢神経の髄鞘を形成するシュワン細胞に由来する良性腫瘍である。 多くは脊髄神経根の神経鞘(聴神経もしくは三叉神経)から発生し、特に後根から発生して脊髄後外方の硬膜内髄外腫 瘍として存在する。 VIII脳神経に発生したものは聴神経腫瘍ともいい、中高年女性の小脳橋角部 cerebello-pontine angle に好発する。 聴神経腫瘍については別項参照のこと。
腫瘍は被膜に覆われた神経幹内に存在するため、手術によって完全に摘出可能な例が多い。
腫瘍近傍の神経根に由来する根性疼痛で始まり、次第に脊髄圧迫症状を呈する。 特に聴神経由来の聴神経鞘腫では、前庭神経を圧迫して耳鳴り・難聴・めまい・眼振などを呈する。
歩行障害や手足の運動失調を呈する。
小脳橋角部腫瘍によく見られる所見であり、健側に大頻打性眼振と患側に小頻打性眼振を呈する。 患側の小頻打性眼振は病側橋部にあるPPRFの機能不全に起因し、健側の大頻打性眼振は病側の前庭神経麻痺に起因 する。
造影CTにて内部に嚢胞を有する腫瘤影が増強される。
核が1列に並ぶ。palisadingの明らかなタイプをAntoni A型、そうでないのをAntoni B型という。
腫瘍は被膜に覆われた神経幹内に存在するため、神経上膜に切開を加えて腫瘍の摘出術 enucleation を行なう。 したがって発生母地となった神経根は切断される。
聴神経と顔面神経をいかに温存するかが外科手術の最大の問題点となる。
Akimichi Tatsukawa