細菌により髄膜に炎症を来たした状態である。細菌は脳炎よりも髄膜炎を起こしやすい。 敗血症から血行性に髄液に広がることが多いので、肺炎などの他の病巣の検索も必要である。
血中で増殖した細菌がいったん血液脳関門を突破して脳脊髄液に侵入すると髄液中は免疫機構が脆弱なので容易に増 殖する。
年齢によって起炎菌が異なる。なお近年になってペニシリン耐性肺炎球菌が増加しているので、肺炎球菌 も起炎菌として多くなっている。
新生児は出生の際に産道で最初に感染するが、膣内の常在菌としては大腸菌やB群連鎖球菌が多いからである。
特に肺炎球菌は予後不良となる場合が多いので要注意である。
まず細菌は鼻咽頭部にコロニーを形成し、血中に侵入する。何らかの機序で脳血液関門を突破して脳脊髄 液中で増殖する。
約8割の症例で見られ、なかでも項部硬直が強く出る。しかし高齢者や重度の意識障害ある症例はしばしば陰性と なる。
好中球が著しく増加し、髄液は肉眼的にも白濁する。 また遊走してきた好中球が活発に代謝を行なうことによって髄液中の糖は低下する。 血管透過性が亢進して髄液中のタンパクが増加する。
髄膜炎の脳脊髄液にて、多核球主体の細胞数増加は細菌性髄膜炎を示唆する。 細菌性以外の髄膜炎はウイルス性であれ真菌性であれ、リンパ球が増加することが多い。 ただし結核性髄膜炎ではリンパ球主体の細胞増加を示す。
髄液所見は こちら。 好中球の動員と細菌が見える。
病理像は こちら。
髄膜炎菌による敗血症で副腎の出血を伴い、急性副腎不全の果てに死の転帰をたどる。
抗生剤の大量投与を行なう。治療が遅れると致命的なので感受性を調べる前に治療を開始する。
早期治療が重要であるため、起炎菌が特定される以前より経験的に抗生剤を開始する。 治療にはアンピシリン、予防にはリファンピシンを用いる。
抗生物質による細菌の融解が炎症性サイトカインを増加させ、これによる脳の炎症が重篤な後遺症の原因とな ることがある。 したがって近年は副腎皮質ホルモンを早期・短期的に併用することが推奨されている。
Akimichi Tatsukawa