脳波は細胞膜の電位変化ではなく、この電位変化によって二次的に引き起こされる細胞外イオン電流を計測したもの であり、すなわち多数の大脳皮質の神経細胞のシナプス後電位(EPSPとIPSPの双方)の総和である。
脳波の記録は頭皮上に21個の電極を配置して、基準電極誘導および双極誘導によって記録する。 基準電極誘導では電気活動の絶対値に近いものが得られる。
双極誘導では両電極の電位・位相差が記録され、病変部位における異常波の位相逆転を観察し、異常波の局在診断に役立つ。 特に大脳皮質の表面が病変部位となる腫瘍や血管疾患に対して有効であり、逆に皮質下の病変に対しては感度が低い。
成人の覚醒時脳波は、基礎律動はα波が主体で、これに少量の速波が混じり、徐波はほとんど出現しない。
安静閉眼時にみられる周波数 8〜10Hzで正弦波様の律動である。 成人の覚醒時の主要な脳波であり、後頭部優位に出現する。
刺激によってα波に置換されるやや不規則な律動であり、α波よりも速く周波数 18〜30[Hz]程度である。
周波数 30[Hz]以上をいう。
α波よりも周波数の小さな律動である。 正常小児でも過呼吸時などに高振幅徐波が出現することがあるが異常ではない。 正常人でも側頭部を中心に散発的に出現することがあるが、著明に現れた場合は病的である。
周波数 4〜8Hzの徐波をいう。
周波数 4Hz以下の徐波であり、新生児期に優位である。
一過性現象の一つで、背景活動から明瞭に区別され、通常の紙送り速度では頂点が尖っており、70〜200msec すなわち約1/14〜1/5秒の持続を持つもの。主な成分は普通、他の領域に比べて陰性である。振幅は様々である。
てんかん発作、特に欠伸発作の際に出現する。
肝性脳症・CO中毒・尿毒症で出現する。
すべての誘導で同じように放電が生じる。ヘルペス脳炎・亜急性硬化性全脳炎・Creutzfelt-Jakob病でみられる。