中毒症状のみが認められる金属。
大脳基底核に蓄積してマンガン中毒性パーキンソニズムをきたす。
蓄電池の製造や陶磁器の絵付け作業で暴露されやすい。
鉛は酵素活性に重要なチオール基(SH基)と親和性が高く、アミノレブリン酸脱水酵素 ALAD のSH基に結合してこれ を阻害する。 その結果、ヘム合成回路においてALAからPBGにいたる過程が阻害され、最終的にヘムの構成要素であるピロール環 の合成が阻害される。
このためヘム合成が停滞して鉄芽球性貧血を招き、尿中にはポルフィリン前駆体であるALAが増加する。
特に小児では低容量の鉛暴露でも神経発達の危険因子となりうる。
特に小児が無機鉛に暴露された場合に生じやすく、脳浮腫による脳圧亢進を招く。
ヘム合成障害によって鉄芽球性貧血による小球性貧血となる。
歯肉の青黒色着色をいう。
橈骨神経麻痺による下垂手が有名である。
小児の急性中毒に多く、痙攣や昏睡を呈する。
鉛疝痛とよばれる colic pain を生じる。
尿中にポルフィリンの前駆体であるアミノレブリン酸 ALA が増加する。
このときPBGの合成は阻害されているため、尿中ポルホビリノーゲン PBGを検出する Watson-Schwartzテストは陰 性となる。この所見は急性間歇性ポルフィリン症との鑑別に有効である。
Ca-EDTAやD-ペニシラミンによって鉛をキレート化する。
ジチオール化合物であって毒物とSH基の間に形成された環構造を開裂させることによって解毒作用を発揮する。
水銀も砒素と同様にsulfhydryl基と結合するが、最大の障害部位はミトコン ドリアの呼吸鎖である。
血液脳関門を通過しやすい。
消化管からの吸収が特に早い。
腎毒性が特に強い。
カドミウムでは主に腎障害が出現する。なおイタイイタイ病はカドミウム中毒が原因であった。
標的臓器は腎臓であり、Fanconi症候群と似た病態を生じる。
つまりカルシウムの代わりにカドミウムが骨に吸収されるためにカルシウムが骨に不足する。
β2-ミクログロブリンは通常では近位尿細管で再吸収されるから。
砒素は sulfhydryl基と結合して、様々な酵素反応を阻害する。 急性中毒では胃腸管出血や壊死や毛細血管障害、慢性中毒では皮膚への色素沈着や肝障害を生じる。
砒素は農薬や殺鼠剤の原料となるほか、半導体の製造にも使用される。 歴史的には宮崎県土呂久鉱山ならびに島根県笹々谷鉱山で公害として発生した。
砒素は強力な発癌物質であり、肺癌やボーエン病をはじめ様々な内臓悪性腫瘍を生じうる。
金属フュームの吸入によって発熱等をきたす病態をいう。
吸入されたフュームは肺組織のタンパクを変性させ、変性タンパクに対するアレルギー反応によって発熱をきたす。
夜間に増悪するというパターンが多い。
Akimichi Tatsukawa